前回、こちらの記事で地元の家庭裁判所へ訪問したことを書きました。
その続編です。
乳児院への訪問
前回の記事の中で審判書の中に
「どういう経緯で育ての親のところへ託されたのか」が記されていたと書きましたが、
どこの病院で生まれて、いつ乳児院へ預けられ、いつ今の家族の元へ行ったのかも記されていました。
その記録を頼りに、乳児院へ訪問することにしたのです。
何か記録が欲しい、というよりも自分の過去・足跡を辿ってみようと思ったのがきっかけです。
とは、思ったものの実際に乳児院に連絡をするため、心の準備に2週間くらい時間を要しました。
いざ乳児院に連絡を!
意を決し、乳児院に電話することに。
「私は特別養子縁組をした子どもで、先日家庭裁判所で審判書を取り寄せたらその中にそちらでお世話になったという記録が残っていた。
何かそちらで私に関する記録があるか調べて欲しい。そのための手続きの方法などあれば教えてください」と伝えました。
すると、電話口の担当の方から
「個人情報の開示請求となるので、所定の用紙に必要事項を記入して頂く必要があるので、平日の9時から17時までの間に取りに来てください。
用紙の記入が終わり、個人情報の開示の許可が出てから資料があるかどうか探すから時間がかかるかも知れない」
という回答を頂きました。
実は両親から真実告知を受け3ヶ月ほど過ぎた頃、一度乳児院のHPに掲載されていたメールアドレスに記録開示の問い合わせをしており、平日に出向かなければいけないことは心得ておりました。
(その当時は実際に乳児院へ訪問するまでのバイタリティと勇気は無く、お返事を頂戴してからしばらくそのままにしていました。そして今です。)
いざ乳児院へ
電話でお話をした後、すぐに乳児院へ向かいました。
乳児院では、電話で話のあった書類に記入をし(名前、生年月日、住所、記録開示の理由など)そのあとはご厚意で施設の中を見学させて頂きました。
当時施設には30名弱の子どもが暮らしており、訪問時17時前と言うこともあり夜ご飯の準備をしていました。
まだ生後間もない赤ちゃんも居て、「私もこうだったのかな・・・(私は生後5日に入院しています)」と考えたりしました。
施設職員さんは皆明るく、どの子に対しても優しく笑顔で声をかけ、目を見て話をしていらっしゃいました。
乳児院というと、ちょっと暗くて怖いイメージがあったのですが、私が訪問した乳児院は家の近所にある保育園と変わらないかな?という印象でした。
しかし、保育園と違うな、と感じたのは入院している子たちの眼差しの鋭さでした。
子ども特有の好奇心や興味からくる好意的でニコニコとした眼差しとは異なり、どこか鋭さを、本心を見られているような、あぁ、この人は私の僕のお母さんじゃなくただ見に来ただけだ、と言われているような眼差しだったように感じます。
その日は書類を受理して頂き、記録があればまた連絡すると言われ終わりました。