特別養子縁組・子どものヒストリー

ここではこれまでに私がお話を聞いた特別養子の子のお話を掲載していきます。

特別養子の家庭で育った子の経験談は全て教訓となり自信となるものだと思います。

勇気を出して自らの経験をお話してくださった方々、本当にありがとうございます。

プロフィール

あきちゃん

20代・女性

栃木県生まれ・群馬県在住。公務員。

私は特別養子縁組で乳児院に預けられていたところ、今の両親が引き取り、今の両親の元で育ってきました。

これから養子縁組をしたい…とお考えの方の役に立ちたいと思っています。

現在(育った環境)の家族構成について

父・母・本人・妹

私の妹は両親の実の子供ですが、とても仲良くやっています

真実告知を受けたのは何歳の頃ですか?

小学生の頃

真実告知を受けた時の状況や気持ちを教えてください

母親の話では、1番初めは小学校1年生のときだったそうです。(私は覚えていませんが。笑)
そしてそのときはポカーンとしていたそうです。

次は小学校3年生くらいで、学校から帰ってきた私が『私はお父さんとお母さんの子じゃないの?』と聞いたそうです。母親が『どうして?』と聞いたら、『○○くん(同級生の男の子)に言われた』と言ったそうです。

そこでずっと隠したままにしておけない、と思った両親が、私に『お父さんとお母さんが2人ずついる』と伝えたそうです。

両親は里親会に参加していて、そこで沢山相談したと言っていました。
私が認知したのはもう少し経ってからだったと思います。

自身が「養子」であるということについて不満や困ったこと・養子であることを隠したいと思った出来事など何か有りましたか?

私の場合は、近所のおばさんや母親の今で言うママ友に

『あきちゃんは妹ちゃんと違って血が繋がらないから両親どちらにも似てないね』
『産んだお母さんに会えないなんて可哀想よね。うちの子なんか北九州まで行って不妊治療して人口受精してできたけど、他人の子を育てるなんておかしな親だね』

とか嫌味やら悪口を私に言われていました。

学校でも、同級生に『おまえんちお父さんとお母さんが違うんだろう、変なやつ。うちのママがそういう子と友達になるなって言ったから今から話さないからなー!!』と言われ、それだけでイジメの標的にもなり、担任も理解がなく、両親に家庭訪問で色々言っていたようでした。

お母様(養母様)との関係

そんなことがあったからか、特に母親はなんとか私をきちんとした人間にせねば、という思いもあって、徹底して私の行動などを半ば監視しているような感じでした。

(今考えると、母親はその親からの愛情不足もあり、ちょっと毒親気味だったと思います。今はそんなことなく、良い距離感を保っています。)

進学校の高校に行かせ、医療系の大学に行き…と思っていた母親の敷いたレールを順調に進んできていた私は、高校のときに『周りのうちと明らかに違う、親に縛られすぎて友達に引かれてしまっている』という事に気付き、本当にやりたい仕事を見つけ、勝手に試験を受け勝手に合格し、とっとと就職しました。

というのは、このままでは一生親が子離れできない、と感じたからです。

案の定、就職して5年ほど、やっぱり親が私の生活を実質管理していました。

給料は月50,000の生活費以外預けること、携帯はガラケー(途中で妹が持つ事になり、妹のゴリ押しでスマホへ)、娘のことが把握できないと自宅アパートに押しかけてきたり職場に電話したこともありました。

嫌気がさした私は異動希望を出し、更に親には言わずに勝手に引っ越して、通帳等々全て自己管理できるようになったのはつい3年前くらいです。

その時は大げんかしましたが、そのケンカは多分、もうすでに『特別養子縁組して育ててくれた』という事が気にならず、本当の親子だと思っていたからできた事だと思います。

反抗期の頃のわたし

私は、小さい頃からきちんと両親が話してくれたので、ちゃんと理解できるのも早かったです。

ただ、反抗期には、妹と比べたりされると(妹の方が成績等もよく、優等生。対して私は体育と音楽が取り柄のそんなに優等生ではないという感じでした。)、『お母さんの子じゃないからそーやって比べて差別してるんでしょ』と啖呵を切っていました。

母にとってはきっとナイフで刺される以上に聞きたくない言葉だったと思います。

当の私も、言っておいてなんだかモヤモヤ…という気持ちでした。

早く真実告知した方の通る道ではないでしょうか。

愛情を確かめたかった故の反抗

でも子供のその言葉は、本気ではありません。

養子であることを理解した途端、自分の中のアイデンティティが一つ確立すると同時に崩れてしまうのです。

そこを、お母さんやお父さんの愛情を確かめることで埋めようとしているのかも、と今考えると思います。

お母さんお父さんは生みの親ではないけれど、きちんと愛情持って育ててくれてるんだ、という確認なのかもしれません

両親にこうして欲しかった

私としてこうしてほしかったなと思うのは、『他人と比べない、その子の良いところを認め、褒めてあげること』です。(育児論になっちゃいますね笑)

そして、両親が『私たちの子なんだから、きちんと育っているよ。自信を持って、前を向いて良いんだよ。』とちゃんと伝えて欲しいのです。

態度で示しても、子供には理解不能です。私たちには伝える手段が沢山あります。

口で言えないなら、手紙に書いたら良い。お母さんお父さんの字、心を込めて書けば字から伝わってきます。書けないならメールでもラインでもいい。誰かに伝えてもらうのも1つ。

この先実子として迎えるに当たっても、いつ真実告知するかの判断は親御さん自身がします。正解は、ありません。タイミングは、その子次第です。

きちんと話をまとめて、ゆっくり話せるところでちゃんと向き合う時間を作れば、わかってくれます。

子どもたちはきちんとわかります。

ご自身の産みの母親について興味は有りますか?

私の生みの親は、家族計画ができない人だったようで、私が産まれた時点で17歳の長男、その他にもたくさん子供がいるが、施設に預けたり、特別養子縁組に出しているということで、私には会うつもりもないと言っていたそうです。

でも、会いたいと言うなら私は会いに行ってみたいです。

産んでくれたことに関しては、そのおかげで今があるのでとても感謝していますから。

そしてその人に育てられなかったからこそ、今の家で育ててもらい、愛情を注いでもらったからこそ、私がありますから。

あなたにとって家族とは何ですか?

例え血が繋がらなくても、どんな形であっても、何かあった時に守りたいと思い、遠くにいてもたまに会いたくなるような存在です。

自分の中で失いたくない大切な存在です。

説明が難しいですが、血の繋がっている家族とさして変わらないかもしれませんね。

こちらのコーナーに掲載されている子とコンタクトを取りたい場合、一度当方までご連絡お願い致します。頂いたメッセージやコメントは責任を持って本人にお届け致します。

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